いのちをいかすという精神に基づき、音楽やテクノロジーなど他分野とのコラボレーションにも取り組んでいる。2025年日本国際博覧会協会理事・シニアアドバイザーを務める。
さまざまなたくさんの本を読破できるのは、エネルギーと瑞々しい感受性があるからこそ。二十歳の「私」を大切に、いくつもの人生にふれ自分の可能性を拡げてください。
二十歳の原点
高野悦子
新潮文庫
572 円(税込)
二十歳の女性の等身大の苦悩、屈折も含め、懸命に生きている姿が伝わってくる。現在とは社会状況が異なるが、変わらないのは生きることの厳しさ。そのような心を掬いとってあげられなかった現実の中で、社会の在り方と自分を省みる一冊。
いのちの初夜
北條民雄
角川文庫
704 円(税込)
短い文章の中にある深さはなんだろう。
魂をわし掴みされたかのような鮮烈さ。そこにあるのはひとりの生そのもの、ハンセン病が日本から消滅しようとしている今だからこそ記憶にとどめ、そして情報や知識としてだけではなく感じてほしいと願う。
夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル
池田香代子 訳
みすず書房
1,650 円(税込)
どのような苛酷な経験であろうともそこに希望はある。人が人生から問いかけられているとする考え方は、人生に対する見方をコペルニクス的に転換させる。使命に突き動かされているようなフランクル氏自身のエネルギーに溢れた人生も興味深い。