俳優
石坂浩二
いしざか こうじ
慶應義塾大学在学中の1962年に『七人の刑事』でデビュー。NHK大河ドラマ、市川崑監督作品など映画・ドラマに多数出演。
message 人間が生命をつないできた長い時間、言葉が傍らにあったことに想いを馳せてください。いつか本は滅びるかもしれない。でも、私は人類が、埋もれたものを探るようにページを繰ることに喜びを感じる時代が来ると信じています。
ほんのおとも
しおりたちとビール
カフネ
阿部暁子
講談社
1,870円(税込)
主人公が主観的に語っていく彼女がもう一人の主人公となり、それがいつのまにか周囲を客観的に語る魅力ある人物となって読む者の心に拡がってくる。この彼女のキャラクターや威力は新しいものではないが、二人が作る世界は切なく、嬉しい限りである。
バリ山行
松永K三蔵
講談社
1,760円(税込)
バリ山行とは登山道ではなく正規のルートをはみ出した登山をいうらしい。ルール違反だといわれるバリ山行の魔力に取りつかれていく男と、その道のベテランが現実の社会で置かれ、まるで先は読めない。二人は人生のバリを歩んでいるのだろうか? 語り口の見事さと構成のしたたかさを味わいたい。
人類の祖先に会いに行く
グイド・バルブイアーニ
栗原俊秀 訳
河出書房新社
2,475円(税込)
330万年前の「ルーシー」と名付けられた彼女は樹から落ちて亡くなったらしい。近代の人間まで15人の人々を紹介しながら、人間はなぜ人間になったのかという壮大な歴史をひもといていく。15人目はダーウィン。 ”人間は必要に応じて変化してきた。人間には種は一つしか存在しない” 。2つの言葉が胸にひびく。