翁百合

日本総合研究所理事長

【 翁百合 】

おきな ゆり

東京都生まれ。日本銀行を経て日本総合研究所に移り、エコノミストとして幅広く活動し、2018年から同研究所理事長。『金融危機とプルーデンス政策』『国民視点の医療改革』など著書多数。2006年第1回円城寺次郎記念賞受賞。

MESSAGE 今大切なSDGsを予見している本。友人にそう勧められ読み返したら、星の王子さまが、所有する多くの星を何度も数え直す仕事を自慢する実業家に「星の役に立っていない」とそっと伝えていました。本には豊かな人生へのヒントが詰まっていると改めて思いました。

幸福論

幸福論

アラン 村井章子 訳
日経BP
1980円(税込)

地政学リスク、気候温暖化、少子化など厳しい環境変化の中にある日本。つい先行きに悲観的になってしまう人達に、フランスの哲学者アランは様々なメッセージを投げかける。「悲観主義は気分に、楽観主義は意志による」。幸福は意志を持った選択、行動によってこそ得られるという、すべての人たちへの応援の言葉だ。

幸福論

高度成長

吉川洋
中公文庫
880円(税込)

サブタイトルは「日本を変えた六〇〇〇日」。著者はマクロ経済学の碩学だが、豊富な写真で当時の世相もわかり、現代につながる高度成長時代がよくわかる。なぜ日本は長く低成長が続いているのだろう。その原点を知り、今後への処方箋を考えてみたい人たちも多いだろう。「経済は難しい」と考える人にもお読みいただきたい一冊。

銃・病原菌・鉄

銃・病原菌・鉄

ジャレド・ダイアモンド
倉骨彰 訳
草思社文庫
上・下各990円(税込)

インカ帝国がスペインに滅ぼされたのはなぜなのか?など、壮大な人類の歴史の様々な謎を学際的に解き明かし、読者を惹き込んでいく。ユーラシア、アメリカ、オーストラリア、アフリカなど大陸毎の文明の差は、人種の生物学的な差でなく、気候や環境の相違によると説く。人類の未来への視座も得られる作品。

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