東京大学経済学部卒業。2016年にQuizKnockを立ち上げ、現在は『東大王』『冒険少年』にレギュラー出演する他、全国の学校を無償で訪問するプロジェクト「QKGO」を行うなど、幅広く活動中。
読書でなくても手に入る知識や能力はたくさんありますが、読書を通して知るときの、読書にしかないテンポというものはあるはずです。意味や目的は後からついてきますから、まずは自分のペースで、本を開いている時間そのものを楽しんでください。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実
米原万里
角川文庫
616円(税込)
冷戦期プラハのロシア語学校を舞台に、様々な民族の生活や立場、思想が生き生きと描かれる。国とは、民族とはなにか。そうした大きな物語を前にして個人は、家族はどのように振る舞うか。今年思い立って読み返し、現代に通じる本質を再発見できた一冊。

あらためて教養とは
村上陽一郎
新潮文庫
649円(税込)
教養とは、村上陽一郎いわく「規矩」を多く持つこと。教育に携わる立場として「なぜ学ぶか」は長く考え続けているテーマだが、私の考えるひとつの理想的な解がこの定義だ。教育の歴史にまで言及しながら、学ぶ意義と教養を用いる術を丁寧に説いた名著。

遅いインターネット
宇野常寛
幻冬舎
1760円(税込)
コメンテーターとして現代の問題と向き合う時、多くの話題でこの本のことが頭をよぎる。インターネットが作り上げた現代を巧みに写し取り、的確にその欠陥を射抜く本書には、よりよき未来を考える上で必要な知識と知恵が詰まっているように思う。