1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。89年『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞受賞。新潮新書『バカの壁』は419万部に達し、新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞。虫好きとして知られ、昆虫採集・標本作成を続けている。『唯脳論』(青土社)、『AIの壁 人間の知性を問いなおす』(PHP研究所)など著書多数。

よみぐすり
坂口恭平
東京書籍
1100円(税込)

夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く
奈倉有里
イースト・プレス
1980円(税込)

りんごかもしれない
ヨシタケシンスケ
ブロンズ新社
1540円(税込)
ここに挙げた著者たちの作品は、どれを読んでもいいけれど、とりあえず直近の一例を挙げた。共通する特徴は懸命に生きている、ということかな。しかも同時に人生を楽しむことをよく知っている。その意味で若者には、生きることの参考になるはずだと思う。
『よみぐすり』は死にたくなったら読め、『夕暮れに夜明けの歌を』は語学の勉強も命がけだとわかるはず、『りんごかもしれない』はものを見て考える楽しみ、本にそれ以上は期待しないでください。本は本なので、実際に体を動かすのとは違うのです。本から何を受けとるか、それは読む人次第です。
毎日虫の標本を作って観察しています。自分で捕まえたものだけではなく、友人、知人が捕まえた虫を送ってくれるので大忙しです。時間があれば、外に出て、虫を観察しています。