神奈川県葉山町生まれ。食や旅、嗜好品などをテーマに寄稿。著書に『名店レシピの巡礼修業』、共著に『ザ・シガーライフ』など。「世界のベストレストラン50」の日本評議委員長、ベスト・オブ・コロンビア大使、剣道教士七段、大日本茶道学会茶道教授。
実社会へと旅立たれる皆さんが、これからも読書欲を維持し続けるのはたいへんな時代だと思う。多忙に加えて学生時代の読書論が効力を失うこと、あるいはSNSの負担もあるだろう。だからこそ、少しでもいいから読書に時間を割いて欲しい。この苛烈な時代をオトナとして知識の再武装をして、勇敢にそして軽やかに生き抜いて欲しいから。

西洋美術解読事典 絵画・彫刻における主題と象徴
ジェイムズ・ホール 高階秀爾 監修
河出書房新社
4345円(税込)
私が30年愛読する本。美術作品に「何が表されているか」を知るための辞典。古代ローマ史、ギリシャ・ローマ神話、聖書などから、西洋美術の象徴的な主題を網羅し、項目別にわかり易く解説する。絵を読み解くガイドとして、あるいはシンボル辞典としても役に立つ。

もし僕らのことばがウィスキーであったなら
村上春樹
新潮文庫
649円(税込)
行間からウイスキーの豊穣な酒精が漂ってきそうな紀行文。昨今、世界的に大ブームのウイスキーだが、著者はその聖地として知られるスコットランドのアイラ島などを訪ね、風土や作り手の関係などからウイスキーの魅力を綴る。酒を嗜む醍醐味とはなにか。その入門書としても面白い。

幸福の「資本」論
橘玲
ダイヤモンド社
1650円(税込)
幸福とはなにか? 貧困の本質とはなにか? 著者は、独自の理論から3つの資本と8つのパターン定義し、現代に生きる我々にとっての幸福のあり方を導き出す。社会人として幸福を目指すうえで、自分は何を積み上げ、どこを目指せばいいのか。そのヒントになる一冊。