1942年生まれ。代表作にオペラ『忠臣蔵』『Jr.バタフライ』『KAMIKAZEー神風ー』『狂おしき真夏の一日』、NHK大河ドラマ『太平記』『花の乱』など。2007年紫綬褒章、2017年旭日小綬章受章。2020年文化功労者顕彰を受けた。
本は「積ん読」派だ。「積ん読」といっても、もはや若い人には通じないかもしれない。とにかく本を買い、身の回りに積んでおくこと。そしてそのとき気の向いた1 冊を読む。私にとって作曲はお金にならない。人生を賭けた趣味だ。それ以外に趣味といえるものは、本を買うことぐらいである。

古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都ローマの民衆生活
アルベルト・アンジェラ 関口英子 訳
河出文庫 1045円(税込)
2 0 0 0 年前の古代ローマの市民たちはどんな生活をしていたのか? 現代に生きる私たちの想像を超えた世界の話だ。しかし、同時代の多くの文献に、彼らの実際の生活がわかる情報が散見されるという。それらを丹念に拾い集め、24時間に再現した驚きの書。

シベリア抑留 日本人はどんな目に遭ったのか
長勢了治
新潮選書
1870円(税込)
1945年8月15日で戦争は終わらなかった。降伏と武装解除後の満州で、日本軍の新たな苦闘が始まった。ソ連軍は抵抗をやめた日本軍兵士たちを「ダモイ(『帰国』の意)」と偽りシベリアなどへ不法に拉致・抑留した。人生を、命を奪われた抑留者たちの記録。

「歴史の終わり」の後で
フランシス・フクヤマ 山田文 訳
中央公論新社
2530円(税込)
1992年の著書『歴史の終わり』で、著者はベルリンの壁崩壊後、世界にあまねく行き渡った自由民主主義のおかげで、人類はイデオロギーのぶつかりあいを乗り越え、一つの「歴史の終わり」を迎えたと論じた。本書は30年を経て再び危機を迎えた民主主義についての、自らによる考察。