
小川流煎茶家元
【 小川後楽 】
おがわ こうらく
1971年、京都生まれ。立命館大学法学部卒業。小川流煎茶七世家元。流祖より受け継ぐ独自の煎法を守りながら、その煎茶の魅力を広めることに尽力。京都芸術大学客員教授、佛教大学非常勤講師。
お茶会は、たくさんの人とお会いできる楽しい時間ですが、やはり気持ちは高ぶり、なかなか興奮がおさまりません。そんな時に、気持ちをリセットしてくれるのが読書です。さらに、気持ちをリラックスさせてくれるのがお茶。その日の気分で全国各地のお茶を選びますが、今年のお気に入りは長崎の「そのぎ茶」です。

建築史的モンダイ
藤森照信
ちくま新書
880円(税込)
建築家・藤森先生が設計された茶室を見ると、思わずニヤリとしてしまう。作品の根底には、建築の原型探求という思わくがあるそうだが、どこかお茶目なのだ。建築家を志す人は、この本で建築の哲学を学び、後世さらにユニークな茶室を残してもらいたい。

駝鳥の卵 杉本秀太郎詩集
杉本秀太郎
編集工房ノア
2200円(税込)
煎茶を学ぶお弟子さんが、全て稽古に熱心であるとは限らない。稽古になるとピアノを弾き始める、そんな自由なお弟子さんもいた。フランス文学者・杉本秀太郎、その人である。この詩集も自由であり、理解には時間を要するが、圧倒的な知性を感じてもらいたい。

菓子の文化誌
赤井達郎
河原書店
4180円(税込)
若者に煎茶を体験してもらうと、最大の関心をお菓子に奪われることがある。四季折々の風情を感じるお菓子は、茶席における楽しみの一つだ。スイーツ好きには、その成り立ちや文化を学んでもらい、これからはじまる大人のスイーツライフを満喫してほしい。