金剛永謹

金剛流宗家

【 金剛永謹 】

こんごう ひさのり

1951年二十五世宗家金剛蕨の長男として生まれる。98年9月能楽金剛流二十六世宗家を継承する。2003年5月金剛能楽堂を京都御所の西向かいに移転、竣工。シテ方五流宗家の中で唯一、関西を本拠地とする。需要無形文化財総合認定保持者。

MESSAGE コロナ禍により私達の生活は一変し、能公演もリモート配信という新たな鑑賞スタイルを得たが、役者にとっては生の本物の舞台の重要性をひしひしと感じる。一期一会の舞台からほとばしる演者の息づかいや緊張感、薪能では野外を吹き抜ける風のざわめきや薪のかすかな香りなど、人は五感をもって心の底から感動する。読書もまた、愛書を何度も手に取ることで人生は深められるのではないか。

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

ヴィクトル・ユゴー 永山篤一 訳
角川文庫
上・下各836円(税込)

罪人として逆境の中で生きるジャン・バルジャン。放浪の旅で巡り合ったミリエル司教との出会いにより魂の根底から揺り動かされ、その後は人のために尽くす人生を全うした。人生の困難に悩み苦しむ時に、勇気と希望を与えてくれる永遠の名著である。

レ・ミゼラブル

僕はいかにして指揮者になったのか

佐渡裕
新潮文庫
649円(税込)

「炬燵の上からヨーロッパへと、指揮棒を振る舞台は変わったが、小さい頃から持っていた”音楽が好き“という根本を…」と述べる作者。心の底から湧き上がる熱い情熱こそが人生を動かす。若者に読んで欲しい感動の一冊である。

春宵十話

春宵十話

岡潔
光文社文庫
524円(税込)

混沌とした先行きの見えない時代にこそ、岡潔の語る言葉が胸に響く。折に触れ本書をひもとき、私達が失ってしまった大いなる自然に根差した美しい日本の心を、今一度思い起こしたい。

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