金剛流宗家

金剛永謹

こんごう ひさのり

金剛永謹

1951年、二十五世宗家金剛巌の長男として生まれる。98年9 月能楽金剛流二十六世宗家継承。「舞金剛」と呼ばれる華麗で躍動感溢れる金剛流独特の芸風に、「京金剛」といわれる優美で雅やかさが加わった芸風を特徴とし、シテ方五流宗家の中で唯一関西を本拠地とする。2023年人間国宝認定。

MESSAGE 忙しすぎる現代、少しでもデジタル機器から離れ、生の体験や読書の時間を増やして下さい。読み進むうちにぐいぐいと引き込まれ、思わず時間の経つのも忘れ、心の奥底からの感動を覚える本に巡りあえた人は幸せです。

風姿花伝(花伝書)

風姿花伝(花伝書)

世阿弥
野上豊一郎/西尾実 校訂
岩波文庫
638円(税込)

『風姿花伝』は世阿弥が能役者のために著した芸術論であるが、その言葉は能の世界にとどまらず世界のあらゆるジャンルの人々の道しるべとなっている。「初心忘るべからず」という言葉一つをとっても人それぞれ実に様々な捉え方があることに驚く。さて貴方はこの言葉をどのように解釈するだろうか?

風姿花伝(花伝書)

人は何で生きるか

レフ・トルストイ
北御門二郎 訳
あすなろ書房
1,320円(税込)

古くから伝わる民話を基にした本書は、短編でありながらトルストイの思想の集大成ともいえる。「人のうちにあるものは何か」「人に与えられていないものは何か」「人はなんで生きるか」。貧しい靴屋夫婦と天使ミハイルの物語を読み進むうちに、この三つの問いが解き明かされ、読む者の感動の涙を誘う。

ルリユールおじさん

ルリユールおじさん

いせひでこ
講談社の創作絵本
1,760円(税込)

今では数少ない手仕事の製本を続ける職人(ルリユール)と、一人の幼い少女との出会い。美しいパリの街角に誘われるような詩情溢れる挿絵に惹き込まれながら、現代に失われつつある大切なことに気づかされ、余韻がいつまでも心に残る珠玉の作品である。

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