脳科学者。2005年、『脳と仮想』(新潮文庫)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
一冊の本との出会いは、自分をつくる上で決定的な機会となる。チャットGPTは全人類の書き込みを統計的に平均化したもの。人間は本を深く読むことで個性を彫刻する。人工知能時代の自分を磨くために本に出会ってください。
第一阿房列車
内田百閒
新潮文庫
693 円(税込)
ただ東京から大阪に列車に乗って帰ってくるというだけのことを、これだけ面白く、またふくよかに描写することができる。夏目漱石の弟子、内田百閒のこの名随筆は、チャットGPTの時代だからこそ文章を磨くことの大切さを教えてくれます。
自分ひとりの部屋
ヴァージニア・ウルフ
片山亜紀 訳
平凡社
1,320 円(税込)
今の時代、自分だけのスペース、時間を持つことはほんとうに大切です。情報が過多で、状況が変化し続けるからこそ、私の心と身体を維持して、育み、ゆったりとのばしていくことのできるそんな「安全基地」を持つようにしてください。
ダブリンの人びと
ジェイムズ・ジョイス
米本義孝 訳
ちくま文庫
1,100 円(税込)
ジョイスが20 世紀最高の天才小説家の一人と言われるのはなぜか? アイルランドの首都、ダブリンの人びとが、懸命に生きる中で出会う「エピファニー」(啓示、気づき)のその瞬間を、緻密に組み立てられた言葉のパズルの中から読み取りましょう。