德川記念財団理事長

德川家広

とくがわ いえひろ

德川家広

公益財団法人德川記念財団理事長。1965年生まれ。慶應義塾大、米ミシガン大院(経済学)、米コロンビア大院(政治学)卒業。国連機関勤務の後、帰国後は文筆家として活動し、2021年より現職。德川宗家第19代当主。

MESSAGE 良い本に出会い、それを読むことは、旅そのものだ。新しい世界と出会い、異質な考え方と出会って、自分が変わっていくのである。そのような読書を重ね、変化を続けることで、人は生きる勇気を身につけていく。

海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 ~ 6

海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 ~ 6

塩野七生
新潮文庫
各506 ~ 572 円(税込)

今や大歴史家という評価の定着した著者の、比較的初期の大作。「主人公」はアドリア海に浮かぶ人口島上の都市国家ヴェネツィアで、その一千年にわたる興亡を、抑制が効きつつも流麗な文章で語り尽くしている。歴史とはどのようなものかを、私はこれで知った。

海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 ~ 6

倭国 東アジア世界の中で

岡田英弘
中公新書
748 円(税込)

中国史の権威が挑む日本古代史。私たちが知る古代日本は、実は 中華帝国を中心とする東アジア世界の一部であり、その文脈の中でしか理解できない。考えてみれば当然だが、読後感は「目からウロコが落ちる」そのもの。日本人であることの意味を再考させられた。

神戸・続神戸

神戸・続神戸

西東三鬼
新潮文庫
473 円(税込)

俳人として有名な著者の、戦時下の神戸でのホテル暮らしを描いている。国際港湾都市にふさわしく、国際色豊かな顔ぶれとの、哀しくもユーモラスな交流。明日をも知れない日々についての実話でありながら、詩人の感性の鋭さゆえか、とても幻想的で、美しい。

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