東洋大学水泳部監督 競泳日本代表元監督

平井伯昌

ひらい のりまさ

平井伯昌

東京五輪競泳日本代表ヘッドコーチ。早稲田大学社会科学部卒。1986年に東京スイミングセンター入社。2013年から東洋大学水泳部監督。同大学法学部教授。

MESSAGE 新しい知識を知ろうとすることも大切だが、自分自身が信じて進もうとする道を確認することも必要に思える。読書は作者や先人の経験を文字を通じて読み解くことができる。新しいチャレンジをする時に、自信を確信に変えてくれる力も持っている。

しろばんば

しろばんば

井上靖
新潮文庫 
1,045 円(税込)

小学6 年生の時に読みました。私の中学入試の国語の問題に出題もされ、大人になった今でも街の中に残る蔵を見ると、洪作少年やおぬい婆さんのことを思い出します。小さな村の日常の出来事が、繊細な幼心を通して少年を成長させていく。少年の頃の情景や淡い気持ちを思い出させてくれる小説です。

しろばんば

沈黙

遠藤周作
新潮文庫 
693 円(税込)

最初に読んだのは確か高校2年時の日曜の午後。一気に読んでしまった。「神の沈黙」に疑問を感じていた私には当時納得がいかない部分もあった。だが、遠藤氏の他の作品を読むうちに、信仰や信念は人の心の中にあるものなのだろうし、自らに問いかけて答えを出していくことの大切さを感じるようになれた。

この国のかたち

この国のかたち

司馬遼太郎
文春文庫
各572~726 円(税込)

文中の一節を読むと、天下を「私」ではなく「公」と捉えることで、上に立つものは常に「公」の利益を考えた行動を取らねばならないという解釈になっているように思う。私自身、就職したての頃、先輩より「日本水泳界に就職したと思え」と激励を受けたが、今思い起こせばとても高い視座を与えていただいた。

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