東洋大学水泳部監督 競泳日本代表元監督
平井伯昌
ひらい のりまさ
東京五輪競泳日本代表ヘッドコーチ。早稲田大学社会科学部卒。1986年に東京スイミングセンター入社。2013年から東洋大学水泳部監督。同大学法学部教授。
message 『日の下には新しいものはない』。かつて起こった出来事や存在したものは、これからも形を変えて現れるという意味である。未来のことは、過去からしか学べない。本を読めば歴史上の人物からも、自分の人生の勉強ができるということだ。
歴史の活力
宮城谷昌光
文春文庫
935円（税込）
古今東西の出来事を関連付けながら紹介し、とても分かりやすく、考えをまとめる参考になる。徳川家光の接木や頼山陽の実見・実用の考え、武藤山治の直感の逸話を通じて、文化や事業は一代限りでなく、今の時代にお預かりしていると意識すること。競泳のコーチングにも当てはまるものだと感心した。
新史 太閤記 （ 上 ）（ 下 ）
司馬遼太郎
新潮文庫
（上）990円（下）935円（各税込）
若い頃から人との出会いを通じて成長した藤吉郎。私が好きなのは、信長の思考を頭に置きながら自ら行動する姿勢だ。人生で最も重要なのは人との出会いであり、その人の思考法や経験を模範として心に置いておけば、頭脳は一つではない。人から学んだもの以上の独創性を持った秀吉の成長は、大きな参考となった。
超訳 ニーチェの言葉 エッセンシャル版
フリードリヒ・ニーチェ
白取春彦 編訳
ディスカヴァー・トゥエンティワン
1,430円（税込）
私の人生のエッセンスとして、しばしば読み返す。世界のトップを目指す選手にとっても、自分自身の中の考えを高めつつ、日々の自省の中から小さな変化や成長を感じていくことがとても大切だ。何気なく本を開いて目を通したページからでも、人生の気付きを感じさせてくれる貴重な本だ。
