小説家・フィルムメーカー
川村元気
かわむら げんき

1979年横浜生まれ。『告白』『悪人』『君の名は。』『怪物』等の映画を製作。小説『世界から猫が消えたなら』は32カ国で出版。自らの小説を原作として脚本・監督を務めた映画『百花』が第70 回サン・セバスティアン国際映画祭最優秀監督賞を受賞。
9 月に『私の馬』(新潮社)という小説を上梓した。自分の馬のために十億円を横領した女の実話をもとに、動物と人間のコミュニケーション、そして言葉の意味について考え続けた。馬に向き合うと人間の金、欲望、権力そして言葉の意味(無意味)があぶりだされてくる。

遠野物語
柳田国男
新潮文庫
539円(税込)
遠野地方に語りつがれる民話の数々。馬と結婚した女とその父をめぐる「オシラサマ伝説」がひときわ印象に残る。人と動物との関係性は、昔から日本人にとって根源的なテーマだ。

世界で一番美しい馬の図鑑
タムシン・ピッケラル
アストリッド・ハリソン 写真
川岸史 訳
エクスナレッジ
4,180円(税込)
人間と関係しながら多種多様に進化した馬たちを、極めてフェティッシュにとらえた写真で彩った図鑑。馬を見ていると、やはりそこに見えてくるのは人間そのものだ。

すべての美しい馬
コーマック・マッカーシー
黒原敏行 訳
ハヤカワepi文庫
1,166円(税込)
アメリカからメキシコへ、愛馬にまたがり越境していく少年の物語。大自然から国道へと馬が歩いていく様を追っていくと、変わらないものと変わってしまうものがわかってくる。