1943年福島県の酒造家に生まれる。『発酵』『酒の話』『灰と日本人』『猟師の肉は腐らない』『北海道を味わう』など小説を含めて159冊を著した。最新作は『発酵食品と戦争』(文春新書)。
終戦直後、日本は経済や教育などが大混乱で、子供が読む本などほとんどなかった。わずかにあった本も、子供たちの回し読みでボロボロになっていた。そんな体験を持った私たちは、いつも本があり、そして読書ができることがいかに大切かを肌で学んで今を生きている。
忘れられた日本人
宮本常一
岩波文庫
1,078 円(税込)
日本全国をくまなく歩き、各地に伝わる民間伝承を克明に調査した記録本。民間伝承者(老人)が、どのような環境に生きてきたかをありのままに語るライブヒストリーが生き生きと描かれている。僻地で黙々と生きた日本人の存在を、歴史の舞台に浮かび上げさせた民俗学者・宮本常一の代表作である。
阿房列車
内田百閒
ちくま文庫
1,210 円(税込)
鉄道に乗ることの楽しみや、旅先での楽しみである食事や景色、地域の時代背景・文化など、さまざまな角度から旅を読んで楽しめるとても愉快で心和める名随筆。最初から最後まで、内田百閒と一緒に旅をしている気分にさせられる。受験勉強などで旅にも出られない諸君をその気にさせてくれる癒しの一冊だ。
物語 食の文化 美味い話、味な知識
北岡正三郎
中公新書
1,034 円(税込)
空腹を満たすためだけの食事ほどむなしいものはない。よく考え、よく味わい、そして食べられることの有難さに感謝する。そのためには、その食材の来歴や食べものについての正確な知識、味覚の満足そして健康増進など、食や食事をとり巻く文化をよく知識すべきで、それを総括的に教えてくれるのが本書である。