小川流煎茶家元

小川後楽

おがわ こうらく

小川後楽

1971年京都生まれ。小川流煎茶七世家元。流祖より受け継ぐ独自の煎法を守りながら、その煎茶の魅力を広めることに尽力。京都芸術大学客員教授、佛教大学非常勤講師。

MESSAGE 今日の読書のお供は、どのお茶にしようかと迷うのも楽しいものです。読書には、清涼感のあるお茶が合います。珍しいものでは、中国安徽省特産で、茶葉が大きく扁平な「太平猴魁(たいへいこうかい)」というお茶があります。

新版 かさねの色目  平安の配彩美

新版 かさねの色目  平安の配彩美

長崎盛輝
青幻舎
1,650円(税込)

かさねの色目とは、平安装束の色の取り合わせのこと。「桜萌黄」や「青紅葉」など四季折々の草花を取り入れた風流な配色名があり、日本古来の美意識を色の配合で表現している。この本はその色見本であるが、眺めているだけで先人の素晴らしいセンスを感じる。

新版 かさねの色目  平安の配彩美

歴史の愉しみ方  忍者・合戦・幕末史に学ぶ

磯田道史
中公新書
814円(税込)

古文書を解読できる能力は、一種の超能力だ。史料さえあれば「ちょんまげの意味」から「坂本龍馬暗殺の黒幕」まで、歴史の本当が見えてくる。古文書の達人である磯田先生が描く歴史像は、埋もれていた古文書から根拠を抽出してい
るので純度が高い。

漱石俳句を愉しむ

漱石俳句を愉しむ

半藤一利
PHP新書
726円(税込)

明治の文豪夏目漱石は、俳句も得意とした。半藤先生は、「雨晴れて南山春の雲を吐く」という句は、『草枕』にそのまま使えそうだと書いている。これは私にとって大変興味深い。なぜなら、『草枕』の玉露を飲む描写は、小川流の「滴々のお茶」がモデルなのだ。

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