脚本家

内館牧子

うちだて まきこ

内館牧子

武蔵野美術大学卒業後、三菱重工業入社。13年半のOL生活を経て、脚本家デビュー。主な作品に、ドラマ『ひらり』『毛利元就』『小さな神たちの祭り』等。文化庁芸術祭優秀賞など多数受賞。最新作は、小説『老害の人』(講談社)。

MESSAGE 父が「若い時から難しい本を読んで、慣れておきなさいよ」とよく言っていた。若いうちに簡単な軽いものばかりで大人になると、もう難しいものに頭がついていけないと言うのだ。父はいいことを教えてくれたと思う。

ピアノ調律師

ピアノ調律師

M・B・ゴフスタイン
末盛千枝子 訳
現代企画室
1,980 円(税込)

少女は将来、ピアノ調律師になりたくて今から努力を続けている。早くも多くの困難が襲い、くじけそうになる。だが、「人生で好きなことを仕事にする以上に幸せなことがあるかい?」と言われ、目がさめた。将来を考える若い人たちに、この言葉はすべてだと思う。

ピアノ調律師

〈死者/生者〉論 ―傾聴・鎮魂・翻訳―

鈴木岩弓/磯前順一/
佐藤弘夫 編
ぺりかん社
3,520 円(税込)

東北大学大学院の鈴木岩弓、佐藤弘夫両教授の授業で、私は初めて「死者」について考えた。本著で磯前順一は書く。「死者には彼らを祀る生者が必要なように、生者には自分たちを支える死者のまなざしが必要なのです」。生者はそれに気づかない。気づくと力が湧く。

茶の間の正義

茶の間の正義

山本夏彦
中公文庫
836 円(税込)

傑出した編集者であり、不世出の随筆家・山本夏彦。社会や人間の真贋を射ぬく姿勢を、ぜひ若い人に知ってほしい。月面着陸に湧く世界を「何用あって月世界へ」と書いた人だ。この『茶の間の正義』でも、世間で正義とされているものへのうさん臭さに容赦ない。

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