脚本家
内館牧子
うちだて まきこ

武蔵野美術大学卒業、東北大学大学院修了。三菱重工業で13年半のOL 生活を経て、脚本家デビュー。主な作品に、ドラマ『ひらり』『毛利元就』『小さな神たちの祭り』等。文化庁芸術優秀賞など多数受賞。最新作は、小説『迷惑な終活』(講談社)。
以前、入院した時に「これは読書のチャンスだ!」と、病室に多くの本を運び込みました。全然読めませんでした。読書は元気な時こそのものです。若さと力に満ちている後輩たちに、「今よ!」と伝えたく思います。

賢治と「星」を見る
渡部潤一
NHK出版
1,815円(税込)
宮沢賢治の作品には、多くの解説書や評論などが出ているが、これは出色の一冊。賢治は作品の中で、星や宇宙を多く扱っている。著者の渡部潤一は天文学者であり、賢治作品の星をめぐりながら、その人生と思索を旅する。ものすごくものすごく面白かった。

折口信夫 「まれびと」の発見 おもてなしの日本文化は どこから来たのか?
上野誠
幻冬舎
1,540円(税込)
日本人の心を知るためにも、一度は読んでおきたい折口信夫だが、一番易しそうな一冊でも難解でギブアップする。本書はやはりギブアップの経験がある日本文学者で民族学者の上野誠が、大胆にかつ面白く、短く解説した書。これなら読める。心が変わる。

帰命寺横丁の夏
柏葉幸子 作/佐竹美保 絵
講談社
1,870円(税込)
ある日、少年は帰命寺横丁で幽霊を見る。それは同級生の女の子だった。昔から帰命寺の御本尊に祈ると、死者が生き返ると言われていた。少年はその謎に巻き込まれていく。表紙がいい雰囲気を出している。本書はアメリカの「バチェルダー賞大賞」を受賞。柏葉作品は大人をも夢中にさせる。