作曲家
三枝成彰
さえぐさ しげあき

1942年生まれ。代表作にオペラ『忠臣蔵』、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、NHK 大河ドラマ『太平記』『花の乱』など。2007年紫綬褒章、2017年旭日小綬章受章。2020年文化功労者顕彰を受けた。
「一般教養」は、もはや意味を失った。だが幸いにして、未知のことが書かれた本は世界に星の数ほどある。若い人たちはその本から興味のある事柄を深掘りすればいい。それがいつしか、その人だけの「教養」になるのだと思う。

うみべのストーブ 大白小蟹短編集
大白小蟹
リイド社
880円(税込)
いままでにない、新しい漫画の誕生である。私はさほど漫画に詳しいわけではない。新しい漫画はほかにもあるのかもしれない。しかし、『うみべのストーブ』の斬新さ、面白さはまったく未体験のものだった。あまり漫画を読まない方もぜひ読んでみてほしい。

増補 普通の人びと ─ホロコーストと 第101警察予備大隊
クリストファー・R・ブラウニング
谷喬夫 訳
ちくま学芸文庫
1,870円(税込)
ナチス・ドイツが編成した「第101警察予備大隊」の隊員は、皆とくに反ユダヤ主義者ではないごく普通の市民だった。どこにでもいる普通の人たちがこのような狂気に陥ると、まるで日常の営みのように、平気で人を殺せるようになる。それが心底恐ろしい。

職業別 パリ風俗
鹿島茂
白水Uブックス
2,090円(税込)
“お針子”とは何か? 1 9 世紀パリの縫製工場で働く貧しい女性のことだ。地方のお金持ちの息子たちにとって、お針子はお気楽な恋の相手だった。代訴人、門番女、高級娼婦……、いまでは消滅した様々な職業や風俗を知ってから当時の小説やオペラを見れば、面白さ倍増である。