金剛流宗家
金剛永謹
こんごう ひさのり
1951年、二十五世宗家金剛巌の長男として生まれる。98年9 月能楽金剛流二十六世宗家継承。「舞金剛」と呼ばれる華麗で躍動感溢れる金剛流独特の芸風に、「京金剛」といわれる優美で雅やかさが加わった芸風を特徴とし、シテ方五流宗家の中で唯一関西を本拠地とする。2023年人間国宝認定。
message 本屋さんが好きです。定期的に訪れては様々な本を手に取ってみます。目的とする本のすぐ横にとても興味深い本が見つかったり、あっちの本棚からこっちの本棚へと、思わず時間が経つのを忘れることもしばしばです。皆さんも本を読むことの極上の喜びにひたってください。
ノートル=ダム・ド・パリ (上)(下)
ユゴー
辻昶/松下和則 訳
岩波文庫
(上)1,276円(下)1,430円(各税込)
人類の普遍的な愛と憎しみ、嫉妬など人智を超えた運命的な力をユゴーは宿命という言葉で表現している。パリの街並みを眺めると、第二章「パリ鳥瞰」に書かれたユゴーのパリと大聖堂への深い愛が実感される。19世紀、大聖堂の復興へのきっかけとなった本書。文学の持つ力を改めて感じさせる名著である。
小川未明童話集 赤いろうそくと人魚・ 野ばらなど
小川未明
柊有花 絵/小埜裕二 監修
世界文化社
1,430円(税込)
心に潜む暗い闇を、美しくもはかない人魚の母娘を通じて描いた「赤いろうそくと人魚」。わが身を捨て、子を想う母ネコの慈愛と、それに応える子ネコを描いた「どこかに生きながら」。老兵と若い兵士の交流を通じて戦争の虚しさを描いた「野ばら」等々……。童話は大人の心にも深い感銘を与えてくれるのだ。
陰翳礼讃
谷崎潤一郎
中公文庫
660円(税込)
谷崎潤一郎は日本の建築、文化芸術など様々な分野を通して、日本固有の美意識とは何かを問うている。今年で著者没後60年。文明の著しい進歩とともに、ネット社会の到来で情報が一瞬にして世界中に露出される時代となった。このような現代にこそ、もう一度じっくりと読み返したい一冊である。