法然院貫主
梶田真章
かじた しんしょう
1956年京都市生まれ。84年法然院貫主に就任、現在に至る。佛教書講読会、読書会、講演会、音楽会、展覧会、生物観察会などを開いている。著書『ありのまま ていねいに暮らす、楽に生きる。』(リトルモア)他。
message 佛教では不殺生戒などの戒が定められています。何を成し遂げたかを人生の誇りにされる方もおられますが「暴力を振るわない」「他 人を傷つけない」など、これだけはしないことを大切にする人生も尊いと思います。
ほんのおとも
木のしおり。それぞれの木の香りが、森へと誘います。
悪人 新装版
吉田修一
朝日文庫
968円(税込)
大ヒットした映画『国宝』の原作者、吉田修一さんの2007年の小説です。殺人事件の加害者、被害者と関係者たちについて複雑な心理や感情を克明に描き切り、読者に「悪人」とは誰のことなのかを問いかけます。人間は所詮悪人同士、謙虚に生きたいと思います。
土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて
藤井一至
光文社新書
1,012円(税込)
私たちは傍にある身近な土のことを殆ど知りません。土は岩の分解したものと死んだ動植物が混ざったものです。『大地の五億年せめぎあう土と生き物たち』『土と生命の46億年史』を合わせて読まれれば、土への愛おしさが増し、新たな土との御縁を紡げます。
社会的共通資本
宇沢弘文
岩波新書
1,056円(税込)
20世紀末に出版されたこの本で、大経済学者は21世紀は資本主義と社会主義を超えた制度主義の時代だと展望されました。21世紀も25年が過ぎましたが、人々の所得格差は拡大し、資本主義に代わる社会が求められる今、改めて先生のお考えに耳を傾けたいと思います。