1977年生まれ、東京都出身。22歳で家具職人の修業を開始し、2003年に家具工房KOMAを立ち上げる。15年以降、世界各国のデザインアワードを獲得。20年には厚生労働大臣より「現代の名工」として認定され、表彰される。
四十半ばになった今でも残念ながら若い頃とそう変わらずに不安はあるし腹が立ったり悲しかったりすることもある。でもそんな時は小説の世界にどっぷり浸って全部忘れちゃえばいいんじゃないかなあと思っています。
![吾輩は猫である](https://giftbooks.jp/wp-content/uploads/2023/11/a09328669321135b19ba9c563ee7119f.jpg)
吾輩は猫である
夏目漱石
新潮文庫
693 円(税込)
「吾輩は猫である。名前はまだ無い」は日本一有名な猫による冒頭である。明治生まれのこの猫のほどよく肩の力が抜けた視点はどこか令和の現代っ子を感じさせる。彼の目が見る人々やその生活そして、社会をユーモアたっぷりに風刺を利かせながら小気味の良いリズムで映し出している。
![吾輩は猫である](https://giftbooks.jp/wp-content/uploads/2023/11/d72fd4949c840f053e0b1fe52824ac76.jpg)
檸檬
梶井基次郎
新潮文庫
473 円(税込)
年に何度か美術館へ行くことがある。作品を前にしてもいつもただぼんやり通り過ぎるだけで、作者が何を伝えたいのか理解すらできないのだが、なぜか腹の底から物作りがしたいという欲求に駆られる。そして自分の生業に幸せを感じる。檸檬はそれと似た感情を与えてくれる一冊。
![中原の虹 全4巻](https://giftbooks.jp/wp-content/uploads/2023/11/cd9a3e312f6c683c598662841e51e372-e1701312957401.jpg)
中原の虹 全4巻
浅田次郎
講談社文庫
各814~880 円(税込)
清代の中国を舞台にした長編シリーズ第三弾。
家も親も何も持たない青年が馬賊の荒くれ者を率いて中華の覇権を握らんとする史実に基づく物語。
いつも小説は自分の中に眠る何かを呼び覚ますが、この作品は野心に忠実で有らんとする事の潔い感情に火を灯してくれた。