キャスター・エッセイスト
南美希子
みなみ みきこ
元テレビ朝日アナウンサー。エッセイスト・コメンテーターとして雑誌・テレビ・ラジオなどで活躍中。東京理科大学オープンカレッジでは話し方の講師も務めている。近著に『老けない人ほどよく喋る』(ワニブックス)がある。
message 読書は世界や知識が広がるだけでなく、話術にも影響してきます。話に深みが出て、考えることにより系統立った話ができるようになるんです。もちろん、話題にも事欠きません。人気者はたいてい読書家です。そんな視点で選びました。
ほんのおとも
読書に欠かせない文具たち
経済学者たちの日米開戦
牧野邦昭
新潮選書
1,870円(税込)
先の大戦の2年前、陸軍内部に設けられた経済謀略機関である「秋丸機関」。綺羅星の如く集められた優秀な経済学者たちによる「正確な分析」がなぜ開戦という「不合理な意思決定」に繋がってしまったのか。経済学の視点に立った論理的で冷静な分析でありながら、すさまじい吸引力で読者を引き込む力作 。
持続不可能な財政 再建のための選択肢
河村小百合/藤井亮二
講談社現代新書
1,210円(税込)
核心をついた切れの良い発言にいつも共感するエコノミスト・河村小百合さんの本。選挙が近づくと消費税減税、現金給付に所得税減税。耳障りの良い経済政策ばかりが並ぶが、借金大国の我が国。財源の捻出はどうするのかという疑問にシビアに答え、破綻を防ぐ方策を示した一 冊 。
青い壺
有吉佐和子
文春文庫
847円(税込)
半世紀前の小説でありながら2025年上半期文庫1位に輝いた本と聞いて読んだ。いやぁ面白い。一気呵成に読み終えた。美しい青磁の壺を軸に13の小編が紡がれている。構成の見事さ、心理描写の巧みさ、鮮やかに蘇る世相。小説の醍醐味を存分に味わわせてくれる一冊だ。