
本選びのプロに聞く
書店員が選ぶ
あの人に
贈りたい本。

紀伊國屋書店 関西地区店売
第二部長 兼 天王寺ミオ店 店長
森永達三
世界はうつくしいと
長田弘
みすず書房
1,980円(税込)
折々に読み返す一冊です。世界がうつくしいということ、世界のどこが、なぜうつくしいかということを知っていると、忙しくて厳しい社会人生活で麻痺しがちな感覚を失わずに済んで、この世界、この命、この毎日を大切に過ごすことができます。

啓文社
BOOKS PLUS 緑町
鎌倉朋美
大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
クルベウ/藤田麗子 訳
ダイヤモンド社
1,430円(税込)
新しい生活が始まったり、初めてのことに取り組んだりするとき、つい「大丈夫!」って言ってしまうことってあると思います。本の中の言葉はどれも、頑張れと背中を押すのではなく、そうだねと寄り添ってくれるものばかりです。心のひとやすみしたいときに、ぜひ。

谷島屋
パルシェ店 店長
小川誠一
断絶への航海
ジェ-ムズ・P・ホ-ガン
小隅黎 訳
ハヤカワ文庫SF
1,166円(税込)
あらすじだけではこの作品の本質にはたどり着けない。なぜ働かなければならないのか。誰のために働くのか。報酬は誰がどのくらいと決めるのか。ここに宗教や文化、習慣や考え方が大きく影響してくるということもわかってくる。SFながら、働くことの尊さを再認識させられる。

文苑堂書店
富山豊田店 副店長
橋本 剛
シンセミア( 上)(下)
阿部和重
講談社文庫
(上)1,078円
(下)1,100円(各税込)
あるひとつの世界のすべてが描かれていると思った。すべてが描かれることで、世界の中心など無いことがあぶり出されている気がしてぞっとした。愛を叫ぶ場所を失くしたひとびとの、虚実皮膜の群像劇。

八重洲ブックセンター
事業統括部
宮澤聡子
あな
谷川俊太郎 作/和田誠 画
福音館書店
1,100円(税込)
地面に穴を掘りながら、まわりの世界と自分自身を確かめていく男の子。大人になってから読み返す時、面白さだけではない何かがずしんと心に響きます。誰にでも、空回りして不安や焦りを感じる日があるはず。そんな心を支えてくれる静かで深い絵本です。